お題箱の返事08
◆南極立海を拝読させて頂きました。このような素晴らしいものを、今まで知らなかったこと、の方へ。
お読みくださりありがとうございます!
媒体の違いで色々な方に読んでいただけて、異なる感触を楽しんでもらえたのがまずはとても嬉しいです。ご縁あってお読みくださったことがとても光栄です。
解釈のご説明まで、畏れながら拝読いたしました。お持ちの豊富な知識と語彙で、拙作をご批評くださったのが嬉しくてぞくぞくしております~旅行中も拝読してフワ~~~~としておりました……
(その節は突然リプライしてすみませんでした……ってあなたさまで合ってますよね……?)
お便りを拝読していて、なんで南極探検隊に興味を持ち始めたのか思い出しました。
仕事でとある評論家の死生観について紐解く機会があったのですが、そのときに「遺す」とはどういうことかを、「遺書」で示そうと思ったんです。
最初に手にとったのが日航機墜落事故の遺書、いくつかの経過があって、スコットの遺書にたどりつきました。wiki程度の調べ学習でしたが、死に瀕する隊員の様子などが痛ましく胸を打ちました。
そこから、柳蓮二が試合中メモを取らないこと、彼が立海の敗北を予想しないはずがないこと、切原赤也だけが来年残されること、がつながっていくのを感じました。おっしゃるとおり、新テニにおける彼の行動もこれなら説明がつく、と思いました。また彼自身のテニスの導線づくりみたいなものも、南極点攻略やその学術的意義に似ているように見えました。
お話にするべく、南極にまつわって自分なりに多くの予備調査と聞き取りをし、できる限り実情に沿ったファンタジーを目指したつもりであります。それがいい方向に働いて、あなたの鋭いご感受に触れることができたなら、本当に光栄なことです。
柳蓮二はひとりでテニスをしているのではなかったし、切原赤也もひとり残されてテニスをつづけるのではない。いつも必ずコートのネット向こうには対戦相手がいて、ラリーがあって初めてテニスになる。そういうことを、多分テニスの王子様という作品はずっと教えてくれていて、だから勝っても負けても前を向いて青少年はボールを追うんだと思うんです。そして時間は止まらない。
すごく遠回りだったけど、そういうことに気づけてよかったな~なんて、かきあげたのが遠い昔になった今は思います。なんというか、許斐先生と同じ時代に生まれてよかったですよね!!!笑
とても心のこもったお便りをいただいた、と感じています。本当にありがとうございました。これからもときどき本を出そうと思うので、縁あってまたお目にかかることがあればさいわいです。
2019/04/02
紙媒体で手に入れることが叶わなかったことを後悔しております。再録して頂いて、本当にありがとうございました。以下の段落は読みづらい文章であり、おんねこさんの創った物語を読んだ、そして衝撃を受けた、という事実を噛みしめたい自己満足で打っているようなものです。勝手な解釈で不快な思いをさせてしまうかもしれませんので、以下は読んで頂かなくて構いません。素晴らしい物語を、本当にありがとうございました。
立海を推している人間であれば必ず当たる「立海大附属は何故青学に負けなければならなかったのか」という壁の新しい答えを教えて頂いたような気がします。青学(越前リョーマ)が主人公であるから、負けた立海が何かを得るため、といった勝った青学中心の考えしかしてこなかったわたしはなんて狭い視野で彼らを見ていたのだろう、と激しく後悔しています。南極、というワード、青学と立海が競うように南極点へ、という設定からアムンゼンとスコットを下敷きに描かれた物語であることはすぐにわかったのですが、勉強不足で「スコット隊が残した記録でアムンゼン隊の世界最速南極点到達が証明された」ということは存じ上げませんでした。たとえ素晴らしい発見があったとしても、共有する誰かがいなければ意味が無い。No.2はNo.1がいなければ存在できないけれど、No.1もNo.2がいなければ証明されない、青学の強さを示すには、立海の強さも示さなければいけない、という至極シンプルなことが積み上げられた伏線で鮮やかに物語られるのを、まるで映画のクライマックスを見ているかのようで、画面をスクロールする手は止まりませんでした。切原と立海3年の間にある差、というものは永遠に縮むことのない差であり、後輩は先輩を越えようとも追いかけることしかできない事実が胸に突き刺さります。しかし、切原が柳を追いかけることが、柳の救いになっている、柳のデータテニスを補完することになっている、という解釈が、新テニの柳VS切原の柳の行動の答えである気がしました。データという過去を切原が未来に変える可能性を信じている柳と、前を見て追い続けることしかできない切原のマッチが過去と未来を繋げたのかな、と思います。
お読み頂いた場合は、本当にありがとうございました。言葉が出てきません。