HANG ON

2019年12月08日

もう赤安はかけないかもしれない、ならば今ある妄想全部描ききりたいという思いだけで描きました。

ネガティブってわけではなくて、なんたって赤井の映画が来てしまう!!!

多くのパラダイムシフトがありうるなかで、未来の自分がどうなってしまうかわからないから、今楽しいことのすべてを詰め込みたかった。描いているときの集中度合いは、かつて作った同人誌のどの一冊よりも強かったと思っています。


未熟なので最初は、描きたいことが独り歩きしすぎて闇雲にペン入れしていたんですけれど、なんかある日わかったんです。

降谷零は、ひとよりも早く青年の時代を終えることを選択した。

赤井秀一も、ひとより早く少年の時代を終えて父を探し始めた。

ふたりの大人が子供返りして、お父さんを探しに行く話を描いているのかもって。

こういうのってお話を書く人間の勝手な線引きだとはわかってるんですけれど、こういう軸がわかるともう、遠慮とか逡巡とかをしている暇はなくなってしまう。なんだか背伸びをして強くなりすぎたふたりが一緒に、かのスパダリお父さんに向けていたずらを仕掛けたらすごくたのしそうじゃないですか。つとむさん、赤井のことも降谷のことも凌駕した領域にいそうだし、生きてても死んでてもなにか…柱というか、遠い存在としてコ世界の謎の一部をひっぱっている感じがある。その意味で赤井務武は黒づくめの組織を超える最も強大な敵であると言える。そういう無敵ボスに向かおうとする赤井と降谷の挑戦と旅立ちみたいなもの、いいよな~って思い始めたら大変どきどきしました。

描きたかったシーンは最後のほうの、喫茶店でずっと赤井を見ている降谷零です。

あのとき「名探偵安室透」は赤井だけの名探偵でいて、ただの素のままの降谷零だったらいいなと思っています。煙草を○本、珈琲を○杯、は元ネタがあって、岡崎京子の「僕たちはなんだかすぐに忘れてしまうね」の一節です。

この作品もそうなんですが、もともと、「好き」とか「愛している」という定型句を使わない愛情の表現方法が大好きでして、いつも収集しております。

私の読んだ範囲で最たるものが、「夜長姫と耳男」という坂口安吾の小説における、耳男の夜長姫・夜長姫の耳男に対する執着です。好きとか性愛とか、そういうものをすべて超えたいのちのやりとりだと思っています。今回はあんまり関係ないけど「春琴抄」もいち極致ですよねえ、なんかもう、相手と自分しかない世界に落とし込んじゃうタイプの行為がめちゃめちゃ愛情じゃないかくそおおおおって思う。

赤井の父親に対する、また降谷の赤井に対する執着は間違いなく愛情であり、ふたりとも、愛情の表し方が「生きていると信じて見つめる」ということかなあと、私は原作を読んでいて思いました。

今回の本のタイトル(タイトルを付けるのもまた自己満の極みだとおもっていつも自意識の強さに悲しくなるのですが)の「HANG ON」って電話の「お話し中」の意味でも使われつつ、「留保する」「結論を出さない」「執着する」みたいな意味もあって、なんか…人の生死に対するふたりの姿勢に共通するものなのかな~って感じたからタイトルにしました。それも含めて、ふたりは対象に対する愛の示し方が似てい…ませんか?めっちゃ似てると思って私すごく萌えています。

かたや青年をすっ飛ばし、かたや少年をすっ飛ばしておとなになったせいで遊び足りない好奇心の塊たるあかとあむが、ずっとずっと走っていられる未来がほしいものです。生きてればまたいつでも会えるふたりであってほしい。

原稿期間中に、描きたいことについてめちゃくちゃに書きなぐったメモに「消息不明の世紀の密偵VS世界屈指の潜入捜査官」って書いてあって、もうそれ、それが見たいです…降谷も赤井も手のひらの上で転がせるのはボスでも工藤家でもなく赤井務武であってほしい~~~~~


敵に向き合うことを英語でFACEというらしいです。立ち向かうときには顔が必要なんだそうで…沖矢のままでは最終決戦できないはずの赤井秀一とか、あんな目立つ容姿なのに顔を隠すことはない降谷零の覚悟とか、考え始めるとたまりません。

ああ~~劇場版のティザービジュアルも出ましたけれど、沖矢でいる赤井、どうなっちゃうの!!??!

赤井務武の声がおきあゆだったらどうしよう、なんて絶対ありえないことを考えつつ、今後の情報公開を息を潜めて楽しみにしようと思います。絶対に4月、チベットから帰ってくる。そして劇場版最速に挑みたいし、そうでなくとも金曜日は仕事休んで映画館に張り付きます。ああ~~~楽しい人生だなあ…



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