THE SPY GONE BLACK
キールがかっこよすぎるよね…という話……(以下、自己満極まるあとがき)
これをかくにあたって原作やSDBを漁ってキールを中心にしたNOCの情報を整頓していたのですけれど(初心者だからおそるおそるです)、キールの周りが人生過酷すぎて、彼女の生き様にすさまじく胸を打たれました。
メモを無くしちゃうかもだし自分でも忘れちゃうかもだからここにかいておく。間違っていること勘違いもあるかもだけれど、今回の私はこう整頓した、の記録。
イーサン・本堂は日系二世の米国人。30年前CIAに入局し、27年前に日本で結婚、潜伏諜報員として活動を始める。10年ほど前に家を出た。時を同じくして本堂瑛祐が大阪で小学校に入りたての頃車に轢かれて大怪我をする。この際瑛海が瑛祐に輸血。(白血病はもっと前のことで、東京で白血病の手術をしている)瑛祐が退院する頃には瑛海も姿を消していた。そのまま本堂母と瑛祐は奥平家で住み込みで働くようになる。しかしほどなくして母親が病死。母の死後、瑛祐とイーサンは大阪で同居。しかし大阪で働くイーサンには正月ぐらいしか会えず、瑛祐は「姉は海外留学」と言っている。その後について瑛祐は「父は仕事で海外にいるが、現在も(現在も)(現在も!?!?!?!??!)仕送りがある」と話している。
一方CIAに入局を果たしていた瑛海は4年前「つなぎ役(バーニイ)」への橋渡し連絡のためイーサンに接触。イーサンの機転により実父を!!!!!拳銃で!!!!!!!撃ち殺す!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!という所業ののちイカした組織の一員として暗躍を始める。
(SDBからの推論だけど私は本堂家のこの事件のあとにスコッチ自決事件がある、と考えている。それは多分イーサンの件で組織内の粛清ムードが高まってスコッチのなにかにジンが気づいちゃったとかそういう感じではなかろうか????今後解釈違いあり得る)
「奴らの都合でアナウンサーに」とか、アナウンサー水無玲奈の有名になった事件が「突然爆発した化学工場死傷者100人以上」(このとき水無も右腹に大怪我しながら輸血を申し出る)とか、もうなんだか組織に振り回されっぱなしのキール、劇場版まで含めたら降谷氏と同じくらい本当に………もう、もう、休んで…という気持ちでいっぱいになるトリプルフェイスっぷりなんです。
▼最初のプロットの方でかいてあったことたち
・赤井秀一を殺した女
・赤井が生きていたと判明して大丈夫だったの?
・純黒でも巻き込まれオキヤバレ劇でも巻き込まれて大丈夫?
・目の前で自分の握る銃が自分の父の顎を撃ち抜いていくのを見ているキールが赤井の頭を撃つのをためらうのは道理 なぜやらせた
・ふたりでコードネームひとり分
・キールは赤井のこと有能なのに人間としてクズだと思ってる
・キールはバボのことすごく嫌いだしめっちゃ迷惑してる(赤井生存捜索に関して)
……ってこのプロットがすべてです(注・誰のことも貶めるつもりはない!)
キール……あなた本当によく生きていてくれた……元CIAの人のインタビューとか拝読すると、圧倒的ポジティブシンキングこそが諜報員に求められる資質らしいということだったけれど、もしそうだとしても、どの時点でも心身ともに死にかねないところを、身一つで耐え続けている本堂瑛海、めちゃめちゃかっこいいです。かけばかくほどカッコイイ…カッコイイ…という気持ちばかり募っていったので、もしかしたら今回の本はキールファンブックかもしれない。
といいながらやっぱり赤安大好きなので赤安です。
表紙をじっくりみてくださるお友達が何人もいてすごくありがたかった~
お話をまとめるときは、NOCでありつづけるとか、客観的事実のために自己を完全に覆う仮面をつけるとか、そういうことについて考えていました。
FBIの捜査官は(いろいろな専門はあれども)みなカウンセリングの達人であるとか、ゼロしこで見た公安はじめとした警察のみなさまの暗躍っぷりとか……
いろいろな情報を拾っては、赤井秀一が捜査官としてどんな仮面をかぶりうるか、バーボンの「探り屋」っぷりってどんななのか(ハニトラネタとか大好きです)想像するのは楽しかったです。
今回はキールが視点の軸になるのを最初から決めていたので、キールへの対応が赤井とバーボンで違うの、キールにすまん…スマン…って思いながら描いていました……ただでさえつらい境遇のキールをおいつめてまじですまん……キール……
でも彼女のこと、ちゃんと逃がせたのでオッケーです!!!!!!!ハピエンです
組織壊滅にあたって、赤井が果たす役割と降谷が果たす役割、きっと対照的だと思っています。赤井はジンの的になる。もちろん赤井も狙撃しますけれども、ジンの目は赤井に釘付けにならなければならない。その陰でバーボンが組織のみなもとを絶つ。
コナンくんのことを私がまだよくわからないのでそこは保留しておいて、このふたりの光と影っぷりがすっっっっっごくツボなんですよね…で、やっぱりふたりきりになってほしいからふたりきりになりました。作業中のBGMにケイゾクのOP「クロニック・ラヴ」を聴いてふたりきり感にどっぷりひたってました。
ただ赤安感すくなめで自分でも満ち足りなかったから無料配布描いたのでした~。(こちらのまんが)
また何か思い出したらこれ以降に書き足そうっと。
***以下、6/29追記。書き手による壮大な願い…もとい自己満ネタバレがあります
今回キール逃走に使われた車は日産スカイラインを想定しています。
運転経験豊富な方ならお馴染みの、覆面パトカーに使われる車種です。が、今回この車種を選んだ基準は「スコッチが乗るなら」でした。青山作品のアダルトたちにはこだわりの愛車があるようにお見受けしたので、じゃあスコッチなら…と考えて…
そして、本当に、本当にここからかくことはただの高慢なんですが……
(恥ずかしい)
本編最終ページの
「しかし夜はまだ明けない」と思ってる降谷と赤井の後部座席、
どのくらいの方がお気づきになるかな~と、期待しつつ放り投げてかきました。
「夜はまだ明けない」というセリフは、最後まで決まらなかったところでした。
朝が来たら、ふたりは組織を壊滅させなければならない。
ふたりきりで、どうなるかわからない(けれども確信的な期待に満ちた)未来に向かっていることを自覚しながらも、この宙ぶらりんなふたりきりを、楽しんでくれ、神話のようになりながらも絶対に表に出てこないだろうふたりの世界に、どうかそこに人間らしさを残してくれ、という(私個人の)願いをこめて、はじめは「ずっと黒のままでいたっていいのに」みたいなセリフの想定がありました。
でもそこで、本当に死んでしまった宮野明美のことをふと思い出して……
「『明ける』ということばは、もしかして青山作品では解放を表すんだろうか」と思いあたりました。夜が明けない暗がりにいる限りは、生きるも死ぬもみんなないまぜである。だったらふたりきりに見えているふたりきりでないふたりがあったっていいじゃん…みたいな……
うううう…うまくいえない……言葉で表せたら漫画にしない!!!
で、車の話に戻るんですけれど、私はスコッチ生存説をどうしても捨てられなくて、どうにかどっかで生きてるんじゃなかろうかと思っているんですね、思いたいんです。もちろんGOSHO神の発言は知っていて、覆すつもりはありません。
自分の願いと、事実としての死の隙間で迷ったらどうすればいいか、降谷零がもっとも的確な正解を、彼の行動をもって示しています。キールが、(おそらく)父親の代わりに瑛祐に仕送りを送っていて瑛祐は父の死を知らないのも、同じ正解です。私も今回はそこに落とし所を求めることに……した…つもりでいます……自分の中では。
対象を装い、死を信じない。
今回のキール逃走援助計画は、降谷と赤井がふたりで計画したことです。でも彼らも、キールにスマンと思ってるフシがあるの…かもしれないから、自分の顔貌でキールを迎えに行く訳にはいかない。ので、変装していったんです。赤井が。
個人的には、そこに景光がいる、と、ゼロもライも、信じていると思います。だからこの本はNOC本です。
すこし話は変わりますが、宗教は、目には見えないなにかを、そうだと思いこむ人が多ければ成り立つものなのだそうです。対極にあるものが物理的現象や社会行動などの「科学的真実」で、「宗教」は「非科学的妄想」、幽霊や超能力に類するものだと。諸伏景光は、降谷零と赤井秀一がともに見たいと願い、いると信じたい信仰の対象です。ついでにいうと、黒づくめの組織が目的とする永遠の命?の対極にある死の象徴でもあって、命を背負った弾丸たちにとっての火薬だと思うんです。
あの車には、諸伏景光が乗っていると私は信じています。
なんか本当に全然説明できなくて自分でびっくりしてるんですが、スコッチの件については自分でもまだ折り合いがついていないのかもしれません。本編でなにか明らかになってしまいましたら、また本にしたいもんです。(追記終わり)
ここまで読んでくださった方がいたら、ありがとうございました!
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